【気管支喘息とは?】
アレルギー反応や細菌、ウイルス感染などが発端となった気管支にアレルギー
性の炎症が起こり、気道が狭くなり分泌物(痰)なども多量に分泌され、さらに
呼吸が苦しくなる病気です。
【症状】
喘息では問診がとても大事です、以下は喘息を強く疑う所見です。
①呼吸音がゼーゼー、ヒューヒューと自分でも聞こえる。
②昼間は咳が出ないのに、夜間から早朝にかけて症状が出やすい
③冷たい空気、水蒸気、たばこの煙、電車に乗るときなどに咳が出る事が多い
④夜間咳がひどいとき座位になると咳が軽減する、もしくは息苦しくて寝れない。
⑤運動、大きく笑ったり、電話を長くかけると咳が出る。
⑥台風や寒暖差、季節の変わり目に症状が出やすい。
この様な症状がある方は病院に受診してください。
【診断】
診断としては、気道が閉塞して呼吸音が笛を吹いたような音がしていれば診断
は容易ですが、日中は症状が落ち着いていることも多く診断が難しい場合があ
り、当院では呼吸機能検査、胸部レントゲン、血液検査(特異的IgE検査)、 一酸化窒素(NO)などにて診断しています。
①好酸球数
白血球の中の一部です通常は1~2程度ですがアレルギー疾患があると4%以上に上昇します、然しながら喘息以外のアレルギー疾患でも上昇します。
②抗原特異的IgE
人が何を抗原として反応するのかを調べます、ダニ,カビ、ハウスダスト、犬の上皮、猫の上皮などに反応する喘息患者さんが多いです。
③呼吸機能検査
スパイロメーターと言う機械を使って肺活量、一秒量などを計測して一秒率、%肺活量などを計算し呼吸機能障害があるかを判断します。呼吸機能障害は閉そく性、拘束性換気障害、混合性換気障害などを診断することができます。喘息においては閉そく性換気障害を示します。喘息患者さんは気道が炎症で細くなっていますので一秒間に吐き出せる呼気の量が低下しています、通常の吐き出せる呼気の70%以下の場合は喘息が疑えます。
④フローボリューウム曲線検査
呼吸のパターンを解析したものですが喘息患者さんでは変形が見られます。
⑤呼気NO検査
NO(一酸化窒素)は好酸球性の炎症(アレルギーによる炎症)があると多く発生します。呼気中のNOを測ることにより喘息の診断、重症度を判断するのに役立ちます。
【喘息患者の疫学】
小児から成人に至るまでの喘息患者は経年的推移をみると、小児喘息は2~3
歳までに60~70%、6歳までに80%以上が発症すると言われる。
その後思春期になると症状が軽快する傾向がみられるが、30%は成人喘息に移
行する。
一方、症状が消失(寛解)した50~70%の小児喘息の内30%弱が再発す
る。
成人になって初めて症状の出る喘息の発作は、成人喘息の70~80%を占めそのうち
40~60歳代の発症が60%以上を占める。
成人喘息は突然40~60歳で発症することが多いと思われる。